【千駄ヶ谷の10坪店舗(路面店)】千駄ヶ谷のソウルドリンク「モンマスティー」。人気店になるまでの15年の紆余曲折。オーナー・柏井さんにインタビュー!〈後編〉
10坪の可能性を信じ、挑戦している方のお話を聞く「10坪ストーリー」。
いまではいろいろなメディアも取り上げ、地元の名物店である「モンマスティー」。しかし、それまでにはいろんな山あり谷ありがありました。
■開業後10年間はぜんぜん食えなかった…。上昇のきっかけは?
いま、「モンマスティー」も開業して14年になるけど、最初の8年間は俺の給料はなし。その間に自宅を3000万円で売って、5年くらいはそれを食いつぶしながら営業して。それも全部なくなったから今度は個人ローンで300万円借りてと、軌道にのるまでは大変だった。2017年にようやく完済してひと息ついたところだよ。
これくらいの覚悟がないと、商売はできないかもね。
ひとつ転機になったのは、2011年だったかな。テレビ番組の「ぶらり途中下車の旅」で取り上げられて、売上が少し伸びた。でも、ご近所の東京体育館の閉館が決まったとたん売上減。ほんと、山あり谷ありだよね。さすがの俺もこのときは閉店を考えた。それが、2013年にこれまたテレビの「ヒルナンデス」に出てから、また売上も回復して、2017年にはテレビに8本も出て、やっと軌道に乗った。
とくにPRはしていないけど、メディアの影響は大きさを感じた出来事だよ。
■軌道に乗るまでの毎日は?
朝起きれば店に行き、店につけばくたくたになるまで仕事をする、あとは家に帰って寝るだけの繰り返し。余計なことなど考える暇もなくひたすら働く。年中無休で、2011年3月20日から今日まで一日も休んでいない。店を開けた方が家賃も安くなるしね。
誰も信じてくれないけど、うちの店はお酒も提供しないのに、23時過ぎがお客さんのラッシュなんだよ。
「仕事がうまくいっているか?」「明日はきっとうまくいくよ」なんていうやりとりや、「お!」と顔を合わせるだけでちょっと元気になって帰ってくれるお客さんも多い。これって、最初に俺が理想としていたキオスクのおばちゃんがしていることと一緒かもしれないね。
俺が嫌いなタイプの店があって、それはレジにパソコンをおいている店。いま流行りの電子マネーなんてのも大嫌い。おつりを間違えてこそコミュニケーションも生まれるってことがあるんだから。
これから、10坪店したい人なら、これ大切だと思うよ。
相手の顔や表情をよくみながら接していればコミュニケーションも生まれるもんだし、小さな店をするときの醍醐味は、これだよ。
■これから開業しようとする方へのメッセージ
その店で何を売るか、これでいくと決めたら、浮気をしないでわき目を振らず、とことんやる覚悟があるかどうか。いろんな情報が耳に入るだろうけど、信念を貫く。
お客さんが来ないから今日は早く店を閉めよう、なんて考える人間なら最初からやめた方がいい。外に出てお客さんを呼び込みするくらいの気持ちがなきゃだめ。
結果がついてこないで心が折れることもあるかもしれないけど、机上の計算や頭で考えるだけじゃ成功はないよ。意味ないかもと思うことであっても、お店のためと思ったらひたすらストイックにやっていれば奇跡も飛び込んでくるんだ。
俺は、イチローが現役の野球選手だったときの毎日決めたメニューをストイックにこなしていた、あのスタイルにあこがれているんだ。それでいうと俺も自慢できることが一つあって、開店以来、ブログを一日も休まず書いてもう、5000回だよ。(https://monmouth.exblog.jp/)
いまどきの「いいね」とか「インスタ映え」なんていう反響を期待するわけじゃない。自分への戒めとして続けているわけ。何でもそうだけど、期待したとおりにはうまくいかない、そんなときに、すべての結果は自分にあるとストイックに努力できるか、これに尽きると思うんだよね。
‐柏井さん、取材のご協力、ありがとうございました!
柏井さんのお話から、「人(自分こそ)の可能性を信じ、ひたすら努力する」大切さを感じました。フランチャイズ展開した際にも、オーナー自身が店頭に立たない店はことごとく失敗してしまったとお聞きしました。
「うまくやろう」ではなく、覚悟をもってとことんストイックにやれることが、遠回りなようで一番の近道であって、成功の秘訣なのかもですね。
【※取材店舗情報※】
店舗名:モンマスティー千駄ヶ谷店
住所:〒150-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷1-21-2
営業時間:月~日曜日 7:00~24:00
定休日:無休
電話番号:03-3478-2357
URL:http://www.monmouth.jp/index.html
<食べログ>
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