【もつ焼 人気店の10坪店舗 (路面店) 】 自社店舗の拡大とともに、飲食業界の課題 “人材採用”の解決にチャレンジ!「もつ焼のんき」の荻野さんに取材!<後編>

10坪の可能性を信じ、挑戦している方のお話を聞く「10坪ストーリー」。

前編に引き続き、東京下町発の「もつ焼き」を首都圏・大阪・四国含め11店舗展開されている、(2018年5月現在)、(株)ネクストグローバルフーズ荻野さんに、現在と、これからの展望をお聞きしました。

 

-メニューへのこだわりを教えてください。

材料でいうと、もつ焼きのメインである“豚”はもちろん国産にこだわっています。

野菜は契約農家の方からの仕入れをしており、また自社農場で育てたものも提供しています。

これは、ある農家さんとの出会いが大きかった。

添加物への意識は、自分に子どもが生まれて気づいたんですが、僕たちのお店にもお子さんのお客さんが多いので親御さんが安心して来店してもらえるためにも、どこで仕入れた材料かをしっかり伝えたかった。

いまは、千葉のわたなべ農園さんというところの応援をもらっています。

 

ここの生産者の渡邉さんは、本当に思いを込めた野菜を提供してくれるんですよね。

それは僕らも一緒に畑仕事をしたからこそわかることです。野菜に対する愛情がある。

こうした生産者の気持ちは質のいい料理をお客様に提供できるだけなく、スタッフのみんなの意識も変えてくれました。いま当社では、アルバイト含めて新規メニューの開発をしているんですが、いい素材をどう活かすかという、意識の高い提案が社内からどんどん出ています。

-これからの展望は?

ビジネス的にいうと、3年後の10月末、15期目に50店舗にするのが目標です。

上場も視野に入れていますが、一緒にやってくれている仲間がいるので、3年後にそのステージに立ったときに、あらためて判断します。それまでは、まず驀進あるのみです。

とはいえ、規模の拡大をしながらも、企業文化というか、これまでの僕たちの習慣は続けないとならないとも思っています。小さなことの、積み上げでしか成長はないですし。

最近、うれしい出来事がありました。

創業当初の四谷店の常連さんが新小岩に転勤でしばらく来れなくなるというので疎遠だったんですが、新小岩店オープン初日に、出店のお話を聞きつけてご来店いただきお話できる機会がありました。

お話しながら、「ああ、僕らのやり方は間違っていなかったかな」と思える出来事でした。

10周年イベントも嬉しかったですね。

四谷店のある“四谷三丁目”は、いままでどんな大手飲食チェーン店が開店してもうまくいかない土地柄だったんです。にもかかわらず、僕らは10年もお店を続けてこられた。これはお客さんあってのことだなと。

なので、10周年の節目に、大赤字で大盤振る舞いをやりきりました(笑)

10周年に因んで全品10円という内容です。

たった5時間でしたが、200人以上のお客さんに来てもらえて。集まった方々と話しながら、このお客さんたちのおかげで、いまがあるとあらためて初心に帰れることができました。

 

また、「もつ焼のんき」の店舗拡大だけでなく、飲食業の人手不足も解決したいと思っています。そのための人材関連会社もつくりました。

採用面では、大手飲食チェーンともなると本部で採用活動ができますが、2、3店舗を運営するようなベンチャーだと、本部採用の仕組みをつくるのが難しければ、一方でそれを個別に担う現場の負担も大きい。これは起業して身を持って知っているからこそ、感じるところです。

ですので、自社だけでなく、飲食業界全体のため、飲食業界の方たちのための人材採用の支援にも力を入れていくつもりです。

さらに、働く環境づくりにも知見を深めて、サービスを広げていければ。

とにかくブラックなイメージがある飲食業界ですが、お客様ももちろん大事にしつつ、それを担う人材の幸せもつくりあげたい。「頑張るときは頑張る。そして遊ぶときは遊ぶ」。そんな業界にしたいんです。

そのために、まずは「自社の制度づくり」から。ゆくゆくは、うちのモデルやノウハウを広めていけたらと思います。

 

-10坪開業をする方へのメッセージ

飲食店開業の最初の一歩なら10坪はいいですよね。少人数で回せて、お客さん一人ひとりと会話できるのがいいと思います。

うちも大阪での2店舗目は、ちょうど10坪くらいだったですね。

飲食業は誰でも参入できると言われやすいですが本来甘くはない。でも、10坪ならより参入しやすいサイズな気がします。リスクも小さいですし。

また、2、3店舗目の展開を考えるときに、実験的に出店する場合に10坪はいいかもしれません。

でも、なにかしらの試練は必ずあるはずです。

僕も大阪で「もつ焼のんき」を開店したときに、関西は牛肉文化なんで苦労しました。モツは豚なので、東西の文化の違いで1年は苦戦しました。これに限らず、なんど壁にぶつかったことか笑。

これから開業する方にもそんな試練があるかもしれません。それをどう乗り越えるかです。でも、飲食店はライブみたく、やはり日々感動できるいい仕事だと思います。

 

‐ありがとうございました!

「もつ焼のんき」の店舗展開もですが、飲食業界の人材のことまで視野を広げている荻野さんのこれからに期待です!

【※取材店舗情報※】

会社名:株式会社ネクストグローバルフーズ

代表取締役社長:荻野貴匡

http://next-gf.com/

 

店舗名: もつ焼のんき 四谷店

住所:〒160-0006 東京都新宿区舟町11 小川ビル

営業時間:月~金 17:00~翌1:00(L.O.24:30)
     土・日・祝 14:00~24:00(L.O.23:30)

電話番号:03-6893-8910

定休日:不定休

その他店舗(赤羽店/神田店/溝口店/新小岩店/心斎橋店/大阪福島店/高松店/関内店/赤身とホルモン焼のんき/酒場 のんき)

<食べログ>

https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130903/13046363/

 
 
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