【中目黒の10坪店舗 (路面店) 】日本初!?ヴィーガンのファーストフードを営む料理家、彼ごはんの著者SHIORIさんへ取材!
10坪の飲食店さんに取材を申し込み、そこまでに至ったストーリーや思いをお聞きする、10坪インタビュー。今回は、料理教室を運営しながら、中目黒で100%veganのファーストフード、ファラフェル屋さんを2017年にオープンしたばかりの料理家のSHIORIさんに取材させていただきました!
SHIORIさん
料理家/フードコーディネーター。
短大卒業後、料理家のアシスタントを経て独立。大好きな人に作ってあげたい料理レシピ本「作ってあげたい彼ごはん」を2007年8月出版。シリーズ累計370万部を超えるベストセラーとなる。近年は、フランス、イタリア、タイなどヨーロッパやアジアを中心に、様々な国の家庭料理を現地で学ぶスタイルで料理の研究の傍らで、女性ファッション誌をはじめ、テレビ、広告、イベント、企業コラボなど活動の幅を広げ、同世代の女性に高い支持を得る。
2014年にはに代官山で料理スタジオ『L'atelier de SHIORI』を立ち上げ、料理教を室主催する。2017年の夏、中目黒に100%vegan(完全菜食)で、《サステナブルなファストフード》をコンセプトにした小さなファラフェルスタンド「Ballon」をOPEN。
ー お店について教えてください。
広さは、5坪(16.5㎡)のお店で、私がパリでファラフェルに出会ったので内装や空間はパリをイメージして特注しました。実は、この内装を創るにあたり、建築士さんをパリに一緒に連れて行ってイメージを共有したり、実際に照明を買い付けしたりと、とことんこだわりました。
内装が素敵!と気に入ってくださるお客さまも多く、とても嬉しいです。
ー Ballonのメニューは?
メニューは100% vegan(完全菜食)フードのファラフェルと、同じく100%veganのソフトクリームの2つです。
ファラフェルは、中東発祥のスパイシーなひよこ豆のコロッケのようなものです。それ以外に人参マリネ、舞茸のグリル、紫キャベツのマリネ、ヴィーガンマッシュポテト、揚げた茄子、トマトにグリーンカール、タヒニソース、アリッサがピタパンの中にぎゅっと詰まっていて、野菜や調味料もできる限りオーガニックをチョイス、8種の具材が詰まった、ファラフェルサンドを毎日愛情を込めて手作りしています。外がカリカリ!中がホクホク!フォカッチャ生地をベースにしたピタパンのふわふわした食感との相性が抜群です。スパイシーな特性ソースを2種類かけてあり、完全菜食フードとは思えないほどのボリュームと満足感でみなさんにお楽しみいただけます。
ソフトクリームは卵、乳製品、砂糖を使わずに作られた100%植物性です。有機栽培豆乳、メキシコ産有機栽培アガベパウダー、京都丹波産自然栽培甘酒、国産なたね油(農薬、科学肥料不使用栽培、圧搾一番搾り)、麻の実、有機バニラビーンズ、モンゴル産天日塩を原料に作っており、軽やかな甘味で後味がすっきり、乳製品一切不使用なのにコクがあってとても美味しく、おすすめです口どけの良さが自慢です。
ラズベリーソースやヴィーガンキャラメルソース、グルテンフリーグラノーラ、パッションフルーツソースなど9種類の自家製トッピングを好みでカスタマイズすれば、いろんな味が楽しんでもらえます。
素材選びや作る過程はとても大切です。ヴィーガンなのに食べ応えがあり、ちゃんと美味しい、というところは意識をしています。
ー なぜこの中目黒を選んだのですか?
自分が住んでいて、かつオフィスもこのあたりなので、人の流れを知ってるところの方がやりやすいなと考えていました。観光というよりは日本に住んでいる外国人の方なんかも多く、駅からも少し離れているので割と大人な空気の住みやすい街です。
店鋪自体はずっと探してました。それこそ、1年以上探していたんじゃないかな。
最初は特に明確にveganのお店にするとは決めておらず、エスニック系のお店がやりたいなぁとぼやっと考えていたんですが、この店鋪を見つけたときにビビッときて気軽に寄れるファラフェルスタンドがいいかなとひらめきました。
ー そもそもなぜファラフェル?
ファラフェルはまだまだ日本では馴染みが浅いですが、パリやロンドン、ニューヨークなど様々な国籍の人が集う世界の大都市ではとてもポピュラーで多くの人に愛されるveganフードなんですよね。
4、5年前にパリで初めてファラフェルサンドを食べた時、あまりの美味しさと100%植物性なのに驚愕の満足感に衝撃を受けました。自分自身がファンになって、専門店を食べ歩いたり、試作を重ねました。
肉や魚も変わらず大好きで生粋のveganではないわたしが、日本のvegan人口を増やしたい!なんて大それた野望はありませんが、旅先で出会ったヨーロッパの人々が『今日はヴィーガンで!』というカジュアルな選択をするように日本にも『和食』『洋食』『中華』『ヴィーガン!』そんな食の選択が日本にももっと浸透したらいいのに、という強い思いが膨らんでいました。
ー始めて苦労したことは?
初めてのことばかりで大変でしたね。やりたいことはいっぱいあるけど、とにかく良くも悪くも狭いので、オペレーションなどを考えるのが苦労しましたね。今も毎日毎日、改善改善の繰り返しです。
ーお客様の反応は?
本場の味を知っている外国人の方が近くに割と多く住んでいたりして、よくいらっしゃるのですが、今まで食べたファラフェルで一番美味しいと言っていただいたときはとても嬉しかったし、自信になりましたね。
また、乳製品アレルギーのお子さんを連れていらっしゃったお客さまがいたんですけど、そのお子さんがこのBallonで生まれて初めてアイスを食べることができた、と嬉しそうに話してくれました。お代わりまでしてくれて、この店を作って本当に良かったな、という実感が湧く瞬間でしたね。
男性の方でも、ファラフェルを食べるのが初めてで、「これが全部野菜なんですか!?」とびっくりされて、その後お代わりまでしてくれる方もいらっしゃって、それはほんとに嬉しかったですね。
ーお店を初めて困ったことはありますか?
そうです、まだスタートしたばかりなので、これからなところはあるとは思いますが、店名の【Ballon】はフランス語のバレエ用語で「飛んでいるときの軽い動き」からビーガンフードの軽やかさに兼ねて名付けたんですよね。名前のコンセプト通り、初めは気軽さを出すためにスタンドにしたかったんですが、日本にはまだまだスタンド文化が無くて、、みなさんなんだかんだ椅子を求められるので少しづつ少しづつ椅子を増やし、今では普通にイートインにしてしまいました!
ただ、居座ることができるようにしたことで、味わって食べてもらえる時間ができたので、逆にそれはよかったポイントかな。お客様とのコミュニケーションできる時間ができも増えて、美味しいというお声が聞けるのも嬉しいです。
ーお店のこだわっていることは?
一番のこだわりは、美味しさです。いつでも同じクオリティで食べれるように、工夫しました。
海外のファラフェルは、実はもう少しジャンク感が強いので、日本人に受け入れやすいように、味は繊細に、思わず写真を撮りたくなるような華やかな見た目に仕上げています。
人もすごく大事だと思っていたので、信頼のできるメンバーの少数精鋭で運営しています。私からのオーダーは一つで、『小粋なトークで楽しませてくれ』と伝えてます。笑
形式張った接客ではなく、お客様にあったコミュニケーションを全員で心がけています。
あとは、やっぱり内装ですね。重複するんですが、せっかくやるならとことんこだわりたくて、建築士さんと一緒にパリに同行してもらい、こういうイメージで作りたい!って直に伝えて、パリっぽさをより出してもらうようにしたんです。
現地のファラフェルスタンドはもっとケバブ屋さんっぽいのですが。笑
ー今後の目標は?
まずは、来年の春の桜の時期には、この辺りをファラフェルストリートにしたいですね。
ファラフェル片手に目黒川を桜を見ながら食べ歩いている人が溢れている状態にしたいです!
veganという食の選択肢をまだまだ知らない人が多く、関心も少ないと思うので、ファーストフードを食べてたら実は知らず知らずのうちにvegan食のファラフェルと出会い、そこからカジュアルに広がっていけばいいな、って考えてます。
また、Ballon TOKYOとしているので、店舗展開をしてもいけたらいいなと思ってます!2年後には日本で増やすというよりは、Ballon Taipei、Ballon waikikiなど海外を進出を目指したいかなー?その方がみんなモチベーションも上がるでしょ?笑
ー今後、お店を始める方へのエールをお願いします。
そうだなー、そんな偉そうなことは言えないけど、まずは自分が一番居心地がいい場所を創る、自分が最高に愛せる場所を創ることが大切かなと思います。
取材中にも、店員さんが和気あいあいと楽しく働かれていて、なんだかこっちまで楽しい空気に包まれてとても居心地の良い空間だなーと感じました!ぜひ、海外出店時も取材に行かせてくださいね!
【※取材店舗情報※】
店舗名:Ballon TOKYO
住所:〒153-0061 東京都目黒区中目黒3丁目2-19 ラミアール中目黒 1F
店主:SHIORI( http://www.atelier-shiori.com/ )
営業時間:11:00~18:00
電話番号:03-3712-0087
定休日:不定休
https://www.ballontokyo.com/
<食べログ>